第5回:動物愛護論(現代)

第5回:動物愛護論(現代)

1920年〜1960年ごろまでは、2度の世界大戦により、人間が生きていくのも大変な時代だった。動物愛護を考える余裕がなく、動物愛護運動は形だけのものになってしまった。
2度の世界大戦により動物愛護運動は停滞
第二次世界大戦後は、産業の急激な発達により動物の虐待が黙認されることになる。医学の発展や、畜産の生産をあげるためには動物を利用する必要があったからだ。 さらに科学の研究が盛んになった、ために動物実験が増加する。

ドレイズ・テスト⇒化粧品などが、人間の目に入っても危険がないかをウサギの目で実験。

動物愛護を行うということは、動物実験や集約畜産を減らすことになる。ということは、医学や畜産に関わっている人間にとっては、効率の低下、利益の減少につながる。そのため「動物がかわいそう」という感情への訴えでだけでは、先に進めなくなってしまったのだ。

感情だけに訴えても、動物愛護と人の利益が相反するために先に進むことができない。動物愛護を広めるには、感情に加え、理性に訴える必要があった。実は18世紀末に現れたベンサムと19世紀末に現れたヘンリー・ソルトは「動物の権利」を論理的に唱えている。
現代につながる主な社会的思潮
ハリソン「アニマル・マシーン」⇒農場動物の悲惨な実情を描いた。この本の影響でイギリス政府が行動し、現代の家畜飼育の基礎となる理念が勧告された。

シンガー「動物の解放」⇒アメリカの公民権運動、女性解放運動と解放運動ブームの中動物の差別について唱えた。

レーガン「動物の権利の根拠」⇒商業的畜産、動物実験などを全面的に反対。

ヘンリー・スピラ⇒レブロン社のドレイズ・テストに対し大抗議をした。「ニューヨーク・タイムズ」を使っての圧力を加えるなどをして、実力行使で実験動物を減らした。しかし、このような運動は過激すぎて批判されてしまったのだ。

現在でも動物実験を減少させる努力が行われている。日本でも動物実験のガイドラインを作成している。

動物実験の基本理念3R
1:動物を使用しないですむ実験法に置き換えること(Replacement)
2:研究に供する動物数を減らすこと(Refinement)
3:実験手技を洗練して動物が被る苦痛を減らすこと(Responsibility)

 

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